イスノキの櫛

もう櫛は必要なだけ手に入れた。
なのにどうも検索履歴からそれに関連するオークション情報が勝手に表示される。
そこでで珍しいものを見つけた。
「国産椿油仕上げ いす櫛」しかも新品で 
つい一か月前はイスノキなんて知りもしなかったのにネットってどんどん増幅してつながる。

このタイトルは実に微妙で

国産の椿油で仕上げた (輸入ものの)いす櫛か
日本で作った(材木は輸入ものの)いす櫛か
材料も作るのも日本か

これだけだとどれとも取れる。そういうのを疑うほど4寸で送料込即決価格2500円は驚きだ。
だってイスノキの方がさつまつげより手に入れ難く、高価な気がするのだ。(材としてはさつまつげが最上という意見が多いが)

ほかの人の質問に答えて
「私が出品している櫛は、鹿児島の指宿で作られたものです。15年ほど前知人が全国のデパートで販売していたのですが、辞められたので、私たちのお店で引き継いで販売しております。」
とのことだった。
材はともかく日本で作られたのは確定したのでポチしてしまった。
しかしまだこの文では15年前に販売していた人がやめただけで櫛は今でも制作しているのか、工房自体が廃業して古い櫛が残っているのかちとわからない。
日本語って難しい
何本かあるみたいなのでまた出るかも


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実物は油漬して送られてきたのでツヤピカだ。
肉眼で見ただけでもホコリがちと気になるが、木目も緻密で黒檀のような色合いの櫛は品がある。端から端までムラのない綺麗なチョコレート色だ。現在はこの材は入手困難なようだ。

櫛の歯にも個性がある。
浜松櫛 多分一般的な歯だと思う。
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夢の櫛
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イスノキの櫛 歯が丸いのが特徴 しかし根元で角になっている。
わざわざ角をとったのだろうか?
それで根元で微妙な曲線になっているように見える。不思議な作りだ。
 
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拡大するとなぜか全てに縦の筋がある。傷にしたら全部にあるのでこういう作りか?歯先がペン先のように見えて面白い。
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前回は御神木としてのイスノキを紹介したが
木材としてのイスノキについて書いてみよう。
イスノキについてはこのサイトに詳しく書かれている。

イスノキ(マンサク科)は常緑高木で、非常に成長が遅く、かなり昔から数が少なくなっているという。
従って希少なもので、地域によっては天然記念物に指定されているほどだ。
芯材は濃い色合いで、200年を超えるような樹齢の高いものは暗褐色で艶がある「スヌケ」とよばれるものがあり、昔から木刀や櫛用材、装飾用工芸品、音響に影響する為密度のある木材が必要な三線の材料などとして珍重されていた。 ネットより引用