浜松櫛2 4代目松山順一さんに問い合わせる

浜松櫛はブログで紹介されているだけでネットショップはない。
「マツ@むぎわら戦士のブログ」から問い合わせメールを送れば答えてくれるが、価格がはっきりわからないので問い合わせメールも敷居が高い。
だがここで櫛を購入された方のブログによると「想像したよりはるかにお安い。とても手仕事の価格ではない。仕上げも素晴らしい」
という記事たちに背を押されて問い合わせしてみる。少なくとも電話よりは気が楽だ。

しかしなかなか返事が来ない・・・ブログにも2,3日かかるとは書いていたが・・・
私の書き方が悪くて気を悪くされたか・・・いきなり値段なんて聞いたらいけなかったか・・・心配した。

だが6日後返事が来る。ブログ運営は息子さんでメールは4代目に転送という形だそうだ。それで時間がかかったのかとほっとした。
なのでメールで問い合わせようと思っている方、気長にのんびりやってください。
お店にメール、お店に注文と同じにはいきません。

そして4代目からメールが来ました。
正直、値段を見て驚いた
「安・・・」
手作り・九州産さつまつげでこの値段はありえない。
歯挽きや磨きに伝統工具を使っているところでももっと高いよ。まぁ木の寝かせ年数とかもあるかもだけど
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ここには木の葉型、ひょうたん型
味のある面白い形もある。





小國神社御神木、イスノキの櫛も紹介されていた。
私はこの二つにすごく心惹かれた。


富士山型
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着袴の儀の型
先代が、皇室の着袴の儀(民間でいう七五三)のために納めた型
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(画像はブログより拝借しました)
しかしブログにはイスノキの櫛は材がないので小さいのしか作れないと書いている。。
私は個性的な櫛たちが、特にイスノキが気に入って問い合わせしたのだけど
「初めてつげ櫛をお使いになるなら、びんかき、とかしのどちらかをお勧めします。
富士山、木の葉はすでに何枚かつげ櫛をお持ちの方がコレクションとしてお求めになります。日常的には使いにくいと思います。」
ととアドバイスを頂く

私はザクッと梳く櫛を持ってない。マニアックに夢の櫛やすき櫛は持ってるけど普通のは大昔お土産屋さんで買った本つげで梳くとあたりががりがりして頭皮が痛い。
大きな櫛への憧れもある。なんといっても12,3cmの大きさになるのに200年かかると書いてあったのだ。(50年以上としているところもあるし 70から80年というところもある。もしかしたら浜松では200年かかるが温暖な鹿児島ではもっと早く成長するのかもしれない)
5寸(15cm)の櫛を作れるまで育つのには何年かかるのだろう?
森で長の年月育ってきた材を使った櫛を手に取りたい
ということでまずは5寸のびんかきを購入することにした。
サイズと形は決まったが、はて歯の粗さはどれくらいがいいだろう?実際試せればいいのだがそれができないので4代目に決めてもらうことにした。
髪の長さと質、手持ち櫛を伝える。
中歯を勧めてもらったのでそれに決定

ところでブログに書くときに間違いがあってはいけないと思い、先代と全く同じ作り方ですか?動力は使ってませんか?と確かめた。
手作りといっても一部に電動機械を使う職人さんはたくさんある。廣島さんのように完全手作りかどうか確認したかった。
その問いに
「父が亡くなって10年以上たちます。工房は場所を移しましたが、設備、道具はそのままです。
ただ、道具は、消耗するものもあり、現在手に入らなくなった物もあり、そっくり同じというわけにはいかない状況です。」
うん、うん、道具も消耗品ですからそりゃそっくり同じ道具とはいかないのわかります。

「御神木は、太い枝(直径20センチ以上)のものを、自分で製材しているので、チェーンソー、テーブルソー、カンナ盤など、
は使います。すごく堅い木で、人力で歯が立ちません。後は、同じようなものですね。」

って、電動工具使うのそこですか?(°д°)

まさかの製材から自分で・・・
いや、そこは電動工具使ってくださっても十分全工程手作りの櫛でございます。木を斧で切れなんて言いません。m(_ _)m

「先日イベントに見えたお客様は、私を先代と間違えていました。自分で見てもそっくりだと思います。」
ルックスまでも同じですか・・・

このお返事を見てもう「実直」という言葉しか浮かびません。旗本の血が4代目にも引き継がれているように感じます。質問にも丁寧に答えてくれて、メールにこんなに時間を取らせてしまって申し訳なく思うほどです。実直な職人さんが作った実直な櫛 楽しみです。

4代目の仕事の画像です。許可を得て使用させてもらってます。


こんなに丁寧に作られている櫛なんです。
そしてもう一つ嬉しい知らせが、
 続く